−1−
次は、スペードの、8。
スペードの、3。 2。
キャッスルの…、エース…。
え、これ…って、私…?
−2−
次の朝、固いベッドの上でルチカはニワトリの声で目が覚めた。
夢の中では新しい自分が戦っていた。傷つき、また癒されモンスターに向かって剣を構えている自分を見ていた。
けれども、どんなことがあっても導きを覆すことはできないので、ルチカは今日この地を発たなければならなかった。
チクマ山にある謎を解き、村の厄を追い払うために。
そしてそこに行くまでには、数々のモンスターが大地を占領しているのだ。
服を着替えてから卵焼きとパンで朝食をとり、弟に父のことを頼むとルチカは外へ出た。
彼女の母は数年前の疫病ですでに他界したのだった。
そして武具を身にまとい、ルチカは20年近く暮らしていた家屋に背を向けた。
−3−
ルチカはまずタントラの城に向かった。王様に会うと何かいいことがあるのだ。
城に向かう道中で、道端にカエルがこちらを見ているのが目についた。
(ルチカ、僕も一緒に行くケロ。僕には不思議な力があるんだケロ)
ルチカはそのカエルをケロヨンと名付け、ポシェットに忍ばせた。
城では王が療養中だったのでルシード王子が迎えてくれ、嬉しいことに彼も戦いに加わってくれるという。
会食の席でしきりに色気を出していたことが功を奏したのだろう。
そうして珍妙トリオの2人と1匹はチクマ山へ向かって旅立つのであった。
−4−
城を出て、いかにも怪物が姿を潜めていそうな草原では、案の定岩の影からモンスターが出現した。
岩巨人Dゴンダーだ。
Dゴンダーの攻撃:拳を振り下ろした
==ルチカは身を翻しながらも、2ポイントのダメージを受けた
ケロヨンの攻撃:ジャンプしながらDゴンダーを迷わせた
==Dゴンダーはケロヨンの動きに気を取られている
ルシードの攻撃:王子の剣を振りかざした
==Dゴンダーは8ポイントのダメージを受けた
Dゴンダーを倒した。
3人の経験値が上がった。10ピカソの金貨を手に入れた。
そんな戦いがある毎に、ルチカは自分の法力に気づき始めていた。
ルチカが手にしたスプーンはどれも売り物にはならない形に変形してしまった。
占いの家系に受けた血が、彼女の法力を大きなものにしていった。
ケロヨンも日ごとにジャンプ力が増し、ルシード王子は男前になっていった。
−5−
旅の終盤でシンジャの街に立ち寄った。
この街では古くなった武具を新しくし、薬草などの備蓄を増やそうとした。
聖剣やヒートロッド、萩の月などを買い込み、出発しようとすると1人の老人に呼び止められた。
彼が言うにはタントラ王の命が危ないというのだ。どうやら王子の留守中にモンスターが侵入しているらしかった。
ルシードは共に戦うつもりだったが、ルチカは城に戻るように言い聞かせ、ケロヨンと2人でチクマ山へ続く洞窟に向かった。
いよいよ街を出るところ、ルチカ達は鍛冶屋兄弟と出会った。
自分たちの力をモンスター退治に役立ててほしいとのことだ。
ルシードがいなくなって心細かったルチカは兄弟と同道することにしたが、兄の目に鈍い輝きを見ていた。
−6−
ここから山の8合目までは洞窟を進む。入口の住居表示板にそう書いてあった。
暗い迷路を進んでいき、いかにもモンスターが姿を潜めていそうだと思ったら案の定姿を現した。
牢屋の番人ゴーラーJだ。
ゴーラーJの攻撃:鉄パイプを振り回した
==鍛冶屋(兄弟)はそれぞれ16ポイントのダメージを受けた
==ルチカは23ポイントのダメージを受けた
==ケロヨンはジャンプして鉄パイプをかわした
(攻撃は力任せのようだわ)
鍛冶屋(兄弟)の攻撃:鉄の斧を振りかざした☆鍛冶屋のバカ力☆
==ゴーラーJは44ポイントのダメージを受けた
ゴーラーJの攻撃:鉄パイプを構えて突進してきた
==鍛冶屋(兄弟)はそれぞれ13ポイントのダメージを受けた
ケロヨンの攻撃:粘着力のある舌でゴーラーJの視界を塞いだ
==ゴーラーJは1回お休み
ルチカの攻撃:メドラの呪文を唱えた
==ゴーラーJは20ポイントのダメージを受けた
ゴーラーJを倒した。
−7−
洞窟を抜けてチクマ山の8合目に出ると、Xモンスターが現われた。
Xモンスターの攻撃:メラバギの呪文を唱えた
==ルチカ達はそれぞれ多大なダメージを受けた
(や、やられる…)
ルチカの攻撃:聖剣を振りかざした
==Xモンスターは10ポイントのダメージを受けた
Xモンスターを倒した。
(え、そ、そんなに…)
すると、鍛冶屋(兄)が、ケロヨンを2つに裂いてしまった!
(ハッ!鍛冶屋(兄)!ど、どうして…)
鍛冶屋(兄)が斧を振りかざして襲ってくるのを、鍛冶屋(弟)が身を挺して防いだ。
(に、兄さんはすでにモンスターに…ガクッ)
ルチカは力を振り絞ってギラメドラの呪文を唱えた
鍛冶屋(兄)は56ポイントのダメージを受けた
鍛冶屋(兄)を倒した。
(ルチカ、君に殺されて俺は幸せだよ)
鍛冶屋(兄)の目には笑みが戻ったが、その目が開くことはもうなかった。
−8−
そうしてからルチカは1人で山頂への道を歩いた。
チクマ山を征服すると、世界の謎が解けると言われているのだった。
山頂に着くと、そこには人の胴体よりもいくらか大きな立方体が置いてあった。
その前面はガラスで白く光っていて、何やら文字が書いてある。
「Yahoo!Japan」と表示されていた。
(これが、世の中の謎を解く事ができる機械なのね)
ルチカは「王子様と結婚」と入力し、その結果をプリントアウトして城へと戻った。
−9−
ルチカはルシードとの夜を重ねる度に思うのであった。
(本当にこれでよかったのかしら)